コーヒーの淹れ方には、サイフォン式・ドリップ式・プレス式など、さまざまな種類があります。baisadoではペーパードリップでコーヒーを淹れていますが、これもまたやり方は多種多様です。
お客さんに「どうやって淹れているの?」と尋ねられることが何度かありましたので、baisadoでの(現在の)淹れ方をご紹介します。
○器具
ドリッパー:三洋産業というメーカーの台形ドリッパーを、少し改造して使っています。2人前用は1つ穴・4人前用は2つ穴・6人前用は3つ穴と、大きさによって穴の数が違うのが特徴で、例えば同時に2人前と4人前の注文が入った時にも、同じペースで淹れられるのがとても便利です。
ペーパーフィルター:同じく三洋産業製を使っています。実はペーパードリップのポイントは紙の質で、メーカーによってかなりの差があります。このメーカーの紙は厚みがありつつしなやかで、手触りも心地よいです。
コーヒーサーバー:同じく三洋産業製を使っています。透明度と耐衝撃性の高い樹脂製で、ガラス製のものほど気を使わずに使えます。
ポット:「珈琲考具」というブランドの細口ポットを使っています。安定して細くお湯を落とせるので気に入っています。
その他:毎回できるだけ条件を揃えられるよう、キッチン用の秤と温度計とタイマーを使っています。
○淹れ方
・秤の上にコーヒーサーバーとドリッパーを置き、熱いお湯を注いで温めます。同時にコーヒーカップも温めます。
・ドリッパーの水気を切り、ペーパーフィルターをセットします。
・コーヒーの粉をドリッパーに投入します。1人前の時は13グラム、2人前の時は20グラムにしています。ドリッパーを軽く揺すって表面を水平にします。
・ポットに熱いお湯を注ぎ、温度計を挿します。同時にコーヒーサーバーのお湯を捨てます。
・ポットのお湯が87度まで下がったら、温度計を取り出してポットに蓋をします。
・タイマーをオンにして、ポットから静かに細く、粉の量より数グラムほど多い量のお湯を、1人前なら10ほど、2人前なら20秒ほどかけて、粉の表面全体に落とします。ただし、できるだけ紙に直接お湯がかからないようにします。しばらくすると、ドリッパーからサーバーにコーヒーが数滴落ちてきます。
・お湯を注ぎ終えたら、30秒ほど待ちます。お湯の当たった粉から二酸化炭素が放出され、粉がドーム状に膨らみます。これを「蒸らし」といい、美味しいコーヒーを淹れるために必須の待ち時間です。
・30秒後、1人前なら10秒ほど、2人前なら20秒ほどかけてお湯を注ぎ、同じ時間だけ待ちます。注ぐ場所はドリッパーのど真ん中の一点です(「の」の字を描きません)。これを3度繰り返します。1回のお湯の量は、覚えやすさのため、1人前の時は50グラム、2人前の時は100グラムにしています。
・「注ぐ・待つ」を3度繰り返したら、1人前なら130グラム・2人前なら260グラム抽出したところでドリッパーを上げます。ここまで1人前でおおよそ2分、2人前でおおよそ3分になります。
・カップのお湯を捨て、ドリッパーの中のコーヒーを優しくかき混ぜ、カップに注ぎます。
お店でコーヒーを淹れる際には、味だけでなく安定性や効率性も考える必要がありますが、「沸騰したお湯を使わない」「最初にドバッとお湯を注がない」「蒸らす」などは、自宅で淹れる際にも使えるワザですので、一度お試しください。