冷めたコーヒー

皆さんは「熱々のコーヒー」と聞いて、どんな感じを受けますか?季節が冬ならば「飲みたい!」、夏ならば「飲みたくない!」でしょうか。

では、「冷めたコーヒー」と聞くとどうでしょう。季節によらず「あまり飲みたくない」と思われるかもしれませんね。

でも実は、コーヒーは冷めてもおいしいのです。というより、冷めたコーヒーには、熱々のコーヒーとは別のおいしさがあるのです。

コーヒーを飲んだ時に感じる味は主に苦味・甘味・酸味ですが、舌の表面に分布する味覚センサー「味蕾(みらい)」は温度によって感受性に差があり、温度が高いと苦味を感じにくく、甘味は体温前後で最も感じやすい一方、酸味は温度によって感じ方があまり変わらないそうです。

(例えば)https://www.city.sanjo.niigata.jp/material/files/group/17/000089859.pdf

そうすると、熱々のコーヒーは(苦味と甘味を感じにくいので)酸味を強く感じ、冷めたコーヒーは(甘味を感じにくいので)酸味と苦味を強く感じるはずです。

これは、(酸味成分の多い)浅煎りのコーヒーは熱々でも冷めても酸味を強く感じる、(苦味成分の多い)深煎りのコーヒーは冷めるにつれ苦く感じる、アイスコーヒーには砂糖やシロップをたくさん入れないと甘いと感じられない、といった自分の経験とも一致します。

逆に考えれば、ホットコーヒーは冷ましながら飲むことで「味変」すると言えます。「温かく出されたものは冷めないうちに」と料理のようには考えず、ゆっくり時間をかけて、熱々のコーヒー、ぬるいコーヒー、冷めたコーヒーそれぞれの味わいを楽しんでみませんか。

baisado
京都下鴨の小さな珈琲焙煎所

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