baisadoの本棚から(10)

地元から出てきたばかりの平成初期には、京都にも昭和の喫茶店がたくさん残っていましたが、その頃はあまりありがたみを感じていませんでした。

年を経て、長く営業を続ける喫茶店に対して尊敬の念を抱くようになりました。自分がコーヒー屋を始めてからは一層その想いを強くしています。

オーナーの高齢化などにより閉店を余儀なくされている昭和の喫茶店とその店主を記録に留めておられる「喫茶のすたるじあ」というサイトがあります。全国47都道府県の喫茶店を実際に訪ね、店の様子と店主の人柄を素敵な写真と文章で紹介してくださっています。

このブログの運営者さんが、「喫茶店の人」という自費出版本を2冊発行しておられます。

喫茶店の人
https://www.kissa-nostalgia.net/blog-management-kissa-zine

喫茶店の人2
https://www.kissa-nostalgia.net/blog-management-kissa-zine2

何年も前から月に1度は通っている超短時間営業の喫茶店が、最近出たばかりの2冊目で特集されており、お店のお母さんから紹介を受け手に取りました。ユニークな店内の写真も大変美しいのですが、お母さんへのインタビューも読み応えがあり、長く店を守ってきた矜持のようなものを感じました。

運営者さんによると、ブログについては年内の閉鎖を考えておられるようです。本当なら大変残念ですが、代わりにこのシリーズが長く続くことを願っています。

baisado
京都下鴨の小さな珈琲焙煎所