baisadoでは、ホットコーヒーもアイスコーヒーも、ペーパードリップで作っています。
ドリップ式抽出(プアオーバー(「上から注ぐ」の意味)とも呼ばれます)は、ドリッパーに溜めたコーヒーの粉にお湯を注いで成分を抽出し、それを紙、布、金属などのフィルターで濾過して、ドリッパーに開いた穴から排出させる淹れ方です。
抽出と濾過が同時進行するのがドリップ式の特徴で、注ぐお湯の温度や速度、フィルターの素材やドリッパーの形状によって、濃さや味わいを自由に変えることができます。
中でもペーパードリップは、フィルターとドリッパーが独立しているため、布や金属メッシュのような一体型フィルターに比べ、扱いが容易です。ドイツの女性メリタさんが発明し、その後世界中に普及しました。
https://www.melitta.co.jp/about/history.html
ところで、ドリッパーの穴の数や大きさがメーカーによって異なり、淹れ方も異なることをご存知でしたか?
元祖メリタは、小さな一つ穴の台形ドリッパーです。人数分のお湯を一度に注ぎ、粉をお湯にじっくり浸すことで、少量の粉でもしっかりと抽出することができます。どちらかと言えばお茶やフレンチプレスに近い抽出方法で、安定した味わいのコーヒーを作りやすいドリッパーです。
同じ台形ドリッパーでもカリタは三つ穴で、一つ穴よりも速くコーヒーが排出される分、粉がお湯に触れる時間が短くなります。そこで、少し粉を多めにし、注いだお湯が粉に触れる時間を長くするため、お湯を何回かに分けて注ぎます。
これに対し、ハリオなどの円錐形ドリッパーは大きな一つ穴で、さらに速くお湯が排出されるため、ゆっくり注げばしっかりとした味わいに、速く注げばあっさりとした味わいになります。自由に味を作れるとも、同じ味を出すのが難しいとも言えます。
ちなみにbaisadoでは、サイズによって穴の数が異なる、三洋産業製の業務用台形ドリッパーを使っています。メリタよりも少し穴が大きいため、お湯の抜けが程よく、スッキリした味わいのコーヒーを安定的に作れます。
これらは良し悪しというより、好みの問題です。プラスチック製なら値段もそれほど高くありませんので、たまにはいつもと違うドリッパーを使って、味の違いを比較してみてはいかがでしょう。
ペーパードリップのもう一つの(本当はドリッパーよりも大事な)ポイント、ペーパーフィルターの話は、また次回に。
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