焙煎のこと

baisadoでは、こんな焙煎を行なっています。

  • 「火加減の調節」だけで加熱してゆき
  • 「一番いい瞬間」に取り出す

「水洗い」は、生豆の表面についた汚れを落とすのが目的ですが、「シルバースキン」や「チャフ」と呼ばれる、生豆の表面を覆う薄皮を剥がす効果も得られます。生豆が綺麗になるのは単純に気持ちが良いですし、焙煎中に剥がれる薄皮の量を減らせるので、焙煎後の清掃も楽です。私たちが目指している「風味しっかり、後味すっきり」「冷めてもおいしい」コーヒーづくりには大切な要素だと考えています。

「火加減の調節」は、豆の温度を一定のペースで上げていくために行います。自動車で長い坂道を登るようなもので、ペースを維持するためには、少しずつ火力を増していく必要があります。また、生豆は焙煎中に2回、パチパチと「はぜる」のですが、1回目の「はぜ」以降は豆の状態がどんどん変わっていくため、変化を見落とさないよう今度は火力を落とします。

「一番いい瞬間」は、2回の「はぜ」の間にあります。1回目の「はぜ」が終わった辺りから秒単位で観察を繰り返していると、豆の表面が変化する瞬間がやってきます。そのタイミングを捉え、焙煎釜の蓋を開けて豆を取り出し、急いで冷まします。結果として、一般的に「中煎り」と呼ばれる煎り具合に仕上がります。豆の個性はありながら、酸っぱ過ぎず苦過ぎない、私たちがおいしいと感じるコーヒーの原料が、こうして出来上がります。

これらはどれもシンプルで再現可能なことばかりなのですが、いつも安定した結果を得るには、私たちの操作が安定しなければなりません。日々練習です。

baisado
京都下鴨の小さな珈琲焙煎所

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