「このコーヒー、どんな味ですか?」
というお客さんの質問に、いつも悩みながらお返事しています。「甘い」「苦くない」「酸っぱくない」ぐらいはパッとお答えできるのですが、より細かい風味を表現するのはなかなか難しいです。
実は、コーヒーの風味表現には辞書のようなものがあり、専門的なトレーニングを積むと、自分が感じたコーヒーの風味を共通の言葉で伝え合うことができるそうです。が、私たちはまだその域に達していません。
そこで今回は本ではなく、コーヒーの風味表現を調べるうちに発見し、いまお店の壁に貼ってあるマップをご紹介します。
アセアン諸国のコーヒー生産量は、世界全体の1/3を占めているそうですが、現在世界で標準的に使われている、コーヒーの風味表現の用語集には、アセアン諸国(というより欧米以外の地域)では一般的な表現が含まれていないそうです。
そこで、アセアン各国が加盟するASEAN Coffee Federation傘下の研究機関ASEAN Coffee Instituteが、アセアン地域独自の風味表現を加えた用語集を開発し、美しいチャート形式で発表しました。
このチャートでは、9つの主要な風味表現(フルーティ、スウィート、ナッツ など)ごとに、世界標準の用語にアセアン独自の用語が付け加えられています。特に用語が多いのは「フルーティ」の中の「トロピカル」や、「フローラル(花のような)」で、あまり聞き慣れない果物や花の名前がたくさん載っています。
もし日本でこのようなチャートを作ったら、すだちとか桜とか味噌とか、そんな用語が出てくるかもしれません。
上のリンクからチャートをダウンロードできますので、ご興味あれば一度ご覧になってください。