貝殻豆

「かいがらまめ」と読みます。お聞きになったことはおありでしょうか。

baisadoでは、仕入れた生豆を洗って天日干ししてから焙煎していますが、洗った際、干した際、さらに焙煎した際に、異常な豆を目視で除去しています。仕入れている生豆は精選の質が高いので、数はさほど多くありませんが、水に浮く(スカスカの)豆、茶色い(発酵した)豆、青い(カビの生えた)豆、小さな穴の空いた(虫食い)豆などを、見つけ次第取り除いていきます。

このとき、取り除くかどうかをいつも迷うのが「貝殻豆」です。

コーヒー豆は、「豆」と呼ばれてはいますが、実はコーヒーノキの実(コーヒーチェリー)の種子で、通常一つの実に向かい合って二つ入っています。ところが稀に、片方の種子がもう片方を包み込むように成長し、二つの種子が抱き合ったまま生豆として出荷されることがあります。

このような生豆は、乾燥中や焙煎中に二つに分かれ、片方は少し小粒な豆、もう片方が貝殻豆になります。ですので、洗って干している間はあまり見つけられず、焙煎後に多く発見されるのです。

口を開けて笑っているような見た目はちょっと可愛らしく、凹んではいるものの色艶的には問題なさそうなのですが、豆の薄い部分と厚い部分で焙煎度合いが変わり、焼け過ぎになっている可能性があるため、もったいないと思いつつ取り除きます。しかし捨てるのは忍びなく、別の容器に保存して自家消費しています。

できる限り丁寧に検品しているのですが、お買い求めいただいた焙煎豆の中に、貝殻豆が含まれていることがあるかもしれません。そのときは、そっと取り除いて、豆と一緒に笑ってやってください。

baisado
京都下鴨の小さな珈琲焙煎所

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